摂食障害(eating disorder)の症状・原因・治療:4
この記事は、[前回の項目]の続きになります。 摂食障害には現代のマスメディアやモデル・芸能業界、ファッション業界が発信している『痩せている女性ほど美しいというメッセージ』が影響している事も確かであり、客観的なBMI(Body Mass Index)で見て明らかに太ってはいない若い女性でも、『まだ痩せなければならない・今の自分はちょっと太りすぎている』と感じていることが多いのである。
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摂食障害は恋愛・結婚における別離(離婚)のショック、仕事・職業における挫折(失業)の傷つき、社会生活になかなか適応できない絶望感(自信喪失)など『特定のライフイベントでの挫折・失敗・傷つき』が引き金となって発症することがあるが、この場合には『拒食による自己制御(自己管理)』や『過食によるストレス解消(食の快楽)』によって不安定な情緒を支えようとしているのである。
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摂食障害における『拒食(食事制限)』とは、禁欲的な自己制御によって自己評価を高め、社会や他人に認められたい(愛されたい)とする行動であり、それに対して『過食(気晴らし食い)』とは自分にとって耐えがたい強いストレスや不安感、孤独感を紛らわして慰めるための行動である。
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摂食障害の根底にある心理とは、もっと美しくなりたいという『美(痩せ志向)の強迫観念』であると同時に、もっと他人(社会)から受け容れられて認められたい(愛されたい)という『承認欲求の過剰・見捨てられ不安』であるが、摂食障害では『痩せさえすれば全てが上手くいき悩みがなくなる・痩せて綺麗になればみんなから受け容れられて認められる』といった目的と手段の関係に対する"認知の歪み"が見られやすい。
そのため、摂食障害のカウンセリングや心理療法では、『痩せること・食事制限(自己管理)すること』と『美しくなること』と『人に愛されること・社会から認められること』とを混同して一体化させてしまっているクライアントの"認知の歪み"を修正していくことになる。
つまり、極端な食事制限・絶食をして痩せなくても、人からは愛されることができるし、社会生活にも十分適応できるという実感を積み重ねていくこと(痩せていないからという理由だけで自分の人間関係や社会生活、恋愛・結婚が上手くいかないわけではないことを理解すること)、その結果として『ありのままの今の自分を肯定して好きになれること』が摂食障害のカウンセリングでは最終的な目的(課題)になってくるのである。
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